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効果的な営業アプローチ方法① 「ニーズの掘り起こし」と「ニード喚起」

かっこいい車・時計や豪華な家、趣味に通ずるモノなどを見た時に「欲しい!」とか「こんなところに住みたいなぁ」と思ったことはないでしょうか?…それはあなたの欲求が顕在化されている証拠です。しかし、無形の商品(保険、証券など)や、まだお客様が必要性を感じてない商品を売り込む場合には、あなたが主導でお客様の潜在的な欲求を喚起しなくてはなりません。

今回は効果的に商品プレゼンテーションを行うための必要な前段階ステップ「ニードの掘り起こし」と「ニード喚起」についてお話をします。

人がモノを購入する時の心理状態

効果的に商品プレゼンテーションをするためにはお客様の心理状態を把握する必要があります。そして、人がモノを購入するときの心理状態の変化は以下の通りになります。

①不安・不満    「この部屋狭いなぁ」
人が不満・不安を感じたときが購入へ向けての行動移す第一歩目と言われています。

②欲求        「もっと広い家に住みたい!」
人は漠然とした不満・不安が明確化されると、「解決したい!」という感情になります。その気持ちに寄り添い、良き相談相手になれる営業マンでいることが大切です。

③解決策    「不動産情報を見よう!」
「解決したい!」というお客様の感情に対し、ベストな解決策として自社商品のプレゼンテーションを行うことで人は購入の決心に至ります。

④購入        「この物件を契約しよう!」
決心してもすぐに購入するわけではありません。購入に至るまでに気が変わることもあるので、繊細に関わることが大切です。

基本的にこのステップを踏みます。人は現状に「不安・不満」を感じることで「解決したい!」という「欲求」が生まれます。そのため、

  • すでに「不満・不安」を感じ「欲求」が生まれているお客様。
  • まだ「不満・不安」を感じておらず「欲求」が生まれていないお客様。

へのアプローチ方法はそれぞれ異なります。「欲求」が生まれていない段階でどんなに素晴らしい「解決策の提示」(商品プレゼンテーション)を行ってもお客様の心は動きません。相手の心理状態をイメージしながら効果的なアプローチを行いましょう。

「欲求」〜ウォンツとニーズの違い〜

営業マンはお客様の欲求である「Wants(ウォンツ)」と「Needs(ニーズ)」の違いを理解しましょう。この2つの違いを理解していなければ、お客様に対しズレた提案をしてしまうことになります。ここでは簡単に、

  • ニーズは「本質的な欲求」
  • ウォンツは「ニードを達成するための手段」

と理解してください。イメージしやすくするために、ニーズとウォンツの違いの例をいくつか見てみましょう。

家の購入

  • ウォンツ「広い家に住みたい!!」
  • ニーズ「快適な暮らしがしたい」/「人から良く見られたい」など

投資関連

  • ウォンツ「良い銘柄や投資用物件ないですか?」
  • ニーズ「老後が心配…」/「経済的にもっと豊かな生活を送りたい」など

転職

  • ウォンツ「転職したい」
  • ニーズ「今の仕事が嫌だ…」/「もっと人生を充実したものにしたい」など

生命保険(貯蓄型)

  • ウォンツ「お金を貯めたい」
  • ニーズ「老後が心配で」/「資産形成したい」など

生命保険(死亡保障)

  • ウォンツ「なし」
  • ニーズ「家族を守りたい」/「妻・子供達に経済的な不幸が訪れてほしくない」など

というように、ウォンツは同じでも本質的な欲求(ニード)は人によって異なったりします。そのため、営業マンはお客様の本質的な欲求(ニード)を知る必要があります。

「マズローの欲求法則」

本質的な欲求(ニーズ)にはいくつか種類があります。相手の欲求を知るために、人が抱く欲求の種類を知る必要があります。

マズローの欲求法則とはアメリカの心理学者アブラハム・マズローが人間の欲求を低次から高次に段階的に分け理論化したものです。「自己実現理論」とも呼ばれています。人は低次の欲求が「ある程度」満たされると1段階高次の欲求が生まれるようになる、というものです。欲求の種類を低次→高次の順で確認していきましょう。

①生理的欲求 
食欲・性欲・睡眠欲などの人の生命維持装置に関わるものです。
食べたい、飲みたい、寝たい。などです
飢餓に苦しんでる子供などが感じたりします。

②安全欲求
生理的欲求がある程度満たされたあとに生まれる欲求です。
安全な場所にいたい、経済的に安定したい。などです。
戦争中の国の民、借金を背負っている人などが感じます。

③社会的欲求と愛の欲求
一人ぼっちは嫌だ、誰かに愛されたい、恋人、家族がほしい、という欲求です。
会社、サークルに属したい。仲間がほしい。などです。

④承認欲求
社会的欲求・愛の欲求が満たされてくると生まれてくる欲求です。
自分が所属している集団の中から認められたいと思う気持ちなどです。

⑤自己実現の欲求
本性に忠実になり、自分の可能性の枠を広げ、能力を発揮できる理想の状態になりたい思う気持ちです。「あるべき姿」になりたい。自分の夢を実現したい。自分らしく生きたい。などです。

⑥自己超越
社会貢献、周りの人に貢献したい。
自分が属している集団を発展させたいなどの欲求です。自分の欲求が満たされると、人は他人のために生きたいという欲求を感じます。

相手が抱いている本質的な欲求である「ニーズ」に合わせて「解決策の提案」(商品プレゼンテーション)をしなければ相手の心は動きません。

次に相手の「ニーズ」を知るための手段についてお話していきます。

来店型営業アプローチ方法〜ニーズの掘り起こし「ウォンツの掘り下げ」〜

この方法は、すでに「不満・不安」を感じ「欲求」が生まれているお客様への営業に効果的な方法です。

 人は理想と現実の差に「不満・不安」を感じ『この差をなんとかしたい!』という「欲求」が生まれます。しかし、お客様の表面的な発言だけ切り取るだけでは、お客様の本質的な欲求である「ニード」にはたどり着けません。「ニード」を引き出すためには、「ウォンツ」に対し『なぜそう思うのか?』という質問を繰り返していきましょう。

  • Aさん    「広い家に住みたい」
  • 営業    『広い家に住むとどんな良いことがありますか?』
  • Aさん    「自宅に人を呼べますね」
  • 営業    『なぜ自宅に人を呼びたいんですか?』
  • Aさん    「なんかモテそう…」

このようにヒアリングをしていくことで、Aさんの欲求は、広い家に住むことによって「快適な暮らしをしたい」のではなく、「モテたい」という承認欲求が根源にあることがわかります。そして、「モテたい」と思っている方に「快適な暮らし」ができる利便性の高い物件を見せても心は動きません。そのため、相手の本質的な欲求である「ニード」を理解し、その「ニード」に沿った商品を提案しましょう。

訪問型営業アプローチ方法〜ニード喚起「不満・不安を掻き立てる」〜

この方法は、まだ「不満・不安」を感じておらず「欲求」がないお客様へ効果的な営業方法です。

来店型営業などはお客様が「不満・不安」を抱き「欲求」を満たすために来店して来るのでウォンツはすでに顕在化しています。そしてウォンツを掘り下げることによって本質的なニーズを探り、そのニーズに対し最適な提案をすることでお客様の心は動きます。

しかしながら、訪問型営業では、お客様が「不満・不安」を抱いておらず、「欲求」が生まれていないケースが多いからです。そのため、購入の第一ステップである「不満・不安」を掻き立てる必要があります。

具体的に生命保険(死亡保障)例に見ていきましょう。

具体例:生命保険(死亡保障)

生命保険(死亡保障)は

  • 無形財(形がない)
  • 未来財(現在使えない)
  • 他益財(自分のためのモノじゃない)

上記3つが揃った商品です。このようにイメージしにくい商材のため「生命保険が欲しい」という欲求「ウォンツ」がないケースがほとんどです。ウォンツが無いため、ウォンツに対する質問によって本質的な欲求である「ニーズ」を引き出すことが出来ません。

そのため、こちらからお客様に能動的にアプローチをし、人の購入の第一ステップである「不満・不安」を掻き立てる必要があります。それにより潜在的な欲求にある「家族を守りたい」という特定のニードを顕在化させ「生命保険が必要だ」と言うウォントを生み出させる必要があります。「守りたい家族」を知るために『大切な人が誰なのか』『家族にどれだけお世話になってきたのか?』『世話になった家族への感謝の気持ち』と本人に改めて気付いてもらう必要があります。これがニード喚起のための準備であり、その後に『自分に万が一が訪れた後の大切な家族の人生はどうなるのか…?』という「不満・不安」を掻き立て、その問題を『解決したい!』という「欲求」を生んでから、「解決策の提示」(商品プレゼン)を行います。このステップを踏むことでお客様の心がより大きく動きます。

この手法は生命保険に限らず、お客様がまだ必要性を感じていない訪問型の営業においても効果的です。「不安・不満」を掻き立て「欲求」を生むことができればどんな商材でもお客様の心を動かせる営業マンになることでしょう。

不満・不安を掻き立てる

不満・不安の掻き立て方は

  • 現状のまま人生が進んでいった時の悪いケース
  • 商品を購入し理想の状態に行き着いたケース

この落差をお客様に感じてもらうことが効果的です。なぜなら人は現状より良い状態を見聞き・知った時に「不安・不満」を感じます。例えば、

  • 自分が住んでいる家よりも豪華な友人宅を訪問した。
  • 自分よりも高い給料をもらっている友人を知った。

上記の時などに、人は現状に「不満・不安」を感じやすいです。つまり『外を見て内を知る』ということです。営業マンは、言葉を使ってお客様に想像が及ばなかった外の世界を見せてあげましょう。それが営業マンとしての能力です。

ただし、注意点は不満・不安を直接相手に当てはめることは失礼にあたり嫌われる可能性があります。例えば、

  • 「あなたが死んだらご家族が大変なことになりますよ!」
  • 「今の家狭いですよ」
  • 「今の車ダサいのでもっと良い車に買い替えましょう!」

上記のようなことを営業マンにいきなり言われたらいかがでしょうか?無礼千万ですね笑
そのため、ニード喚起を行う際は、

【①一般的な話⇨②具体的な話⇨③相手に話してもらう⇨④相手に当てはめる】

の手順を踏みましょう。具体的には、不動産投資の営業に置き換えると、

  1. 「定年を過ぎても働き続けている方って日本には○○万人います。そして働き続けないといけない理由の○○%は定年後に十分な資産がないからだそうです。」
  2. 「私の知っている方でも、老後膝が悪くなりながらも立ち仕事に就いて、ゆとりのある老後を過ごせない方がいて、いつも『もっと資産形成を考えておけばよかった』と自分の過去を後悔しています…」
  3. 「例えば、一生懸命働いているけど、教育費や住宅ローンなどにほとんどお金が持っていかれてしまったり、自分のお小遣いが少ない方とかって周りにいませんか?」(相手に話させる)
  4. 「もし自分がそういう状況になった時をちょっと想像していただきたいのですが、例えば…」(同じ状況を相手に当てはめる)

というようにステップを踏みましょう。そうすることでスムーズに相手の不満・不安を掻き立てることが出来ます。

このように生命保険に限らず、「不満・不安」を掻き立て、商材に紐づく「特定の欲求(ニード)」を喚起できる能力を身に着けた営業マンは、商材に限らず何でも販売することが出来ます。ぜひ、このステップを身につけ、心動かせる営業マンになってください。

その後のステップの③解決策の提示(商品プレゼンテーション)については、また次回お話します。

ABOUT ME
川端 謙斗
エンジニアから営業マンに転職し、営業管理職をしておりました。 現在は株式会社オメガイノベーションの代表取締役をしています。 筋トレが趣味です。 築古物件投資もしています。

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