決めた目標を達成できずに自己肯定感が下がってしまう人。
自己成長のために読書をしたくても家に帰ればついついマンガを読んでしまう人。
頑張りたくても、頑張れない人
その一方で、決めた目標をどんどん達成して自分を律することが出来る人。
メリハリのある生活ができている人。
頑張るべきときに100%の力を発揮できる人。
このように、当たり前のレベル(コンフォートゾーン)は人によって違います。そんなコンフォートゾーンを上げる為にはどうしたらいいのでしょうか?
今回はコンフォートゾーンについてお話していこうと思います。
営業マンにヒアリング
私自身は現場から離れたマネージャーのため実際に最前線で営業活動を行っている営業マンに以下の質問をヒアリングしました。
「あなたは入社当時からコンフォートゾーンが上がりましたか?下がりましたか?」
ここから得られる回答と、私の経験や理論に照らし合わせてまとめていきたいと思います。
【上がったと答えた営業マン】
入社してからとにかくがむしゃらにやっていたらコンフォートゾーンが上がっていった。それを継続できたのは目標が明確だったから。今では「2~3週間先までアポを埋めなきゃ、週1件の契約では少ない」と焦るようになった。
周囲の人に「目標達成します!」と言ったのに達成しない。そんな嘘をついてると、嘘をつく自分が当たり前になってしまう。だから、低い目標と周囲からは思われようが、自分の中で60%程度の目標を100%の力でやる事を意識していた。高い目標を掲げるより、確実な目標達成を大事にしていた。
そして、目標達成を繰り返し、気がついたら徐々にコンフォートゾーンが上がっていった。
目標設定は結局したところでほとんどの人が行動しない。本当に自分が達成したいと心から思える目標設定が大切だと思う。
【下がったと答えた営業マン】
最初は気合も十分あり、上司から言われるがままに高い目標を掲げ「目指してやるぞ!」としてやっていた。ただ、結果としてその高い目標を達成できなかった。
そして、自分の現実を知り「達成できるくらいの目標を掲げて、また未達成…」を繰り返してコンフォートゾーンが徐々に下がっていってしまった。挫折を繰り返し自分の成功期待感も下がっていった。
もし、目標達成を繰り返していればコンフォートゾーンが上がっていってたと思う。
自分の経験上、コンフォートゾーンは急激に上がることも下がることもない。自分が気づかないレベルで徐々に下がっていく。成功期待感が下がり「人が見ていないからいいか…」と決めた事をサボり、また決めたことをサボり…と気がついた時には自分の力の出し方を忘れてしまっている。自分一人だと駄目になる。自分が信用できない。
なので、これからコンフォートゾーンを上げる為には、やる気がある人と一緒にいて、引き上げてもらうような、人の力を借りることも重要だと思う。
【変化なしと答えた営業マン】
最初は、自分の実力以上のラッキーもあり結果が出ていた。しかし、その後に自分の課題を新たに見つけられたので、今はその課題解決のために淡々と活動をしてる。
「必ず期限までに結果を出す!」というコンフォートゾーンは当初より下がったが、将来的・長期的に結果を出すために「自分の成長につながる行動をする!」というコンフォートゾーンは上がった。結果は後からついてくると信じている。
そもそも私はモチベーションで仕事をすることを今までしてこなかった。モチベーションは上がることもあり下がることもある。そんな事に一喜一憂するより、自分が決めたことを淡々とやっていくことの方が重要だと考えている。これからも自分はモチベーションは関係なく淡々とこなしていく。
まとめ
いかがでしょうか?現場の営業マンのリアルな声をまとめました。3人とも同じ環境で、同じスキルを学び、同じ商材を扱って営業しています。それなのに3者3様で結果が変わりました。以下、私が考える重要なポイントをまとめます。
適切な目標設定の大切さ
これまでに様々な営業マンを見てきた私の経験上、
- 高い目標を自ら掲げる営業マン
- 高い目標を他人から掲げさせられる営業マン
両者でその後大きく結果が変わっていくことが多かったです。
①の営業マンは元々の能力値やコミット力も高く、高い目標設定と達成を繰り返すことによってロケットスタートで飛躍的な成長を遂げていくケースが多いです。
②の営業マンは①の営業マンほどは初期能力値は高くなく、周囲の雰囲気に流されて自分では到底現実的と思えないような目標設定をさせられ、目標未達→目標を下げる→目標未達を繰り返し、どんどん自信がなくなっていき、負のオーラが出てきます。当然、そんな負のオーラはお客様の前でも出てしまい、その結果、お客様に避けられ成績もどんどん下がっていく負のスパイラルに入ります。
以上のことから、自分に合った最適な(ちょいムズな)目標設定をすべきです。周囲の人より低い目標だからといって自分を蔑む必要はありません。自分に自信をつけるためには、目標達成をする癖をつけることの方が重要なのです。人生は長く、人には最適な成長スピードがあります。無理して筋トレすると怪我をするのと同じで、適度な負荷が重要です。そのため、デキる他人と相対比較をして、焦って高い目標を掲げ、目標未達により自信を失うよりも、自分を見つめて最適な目標設定をしましょう。
そして、コンフォートゾーンに目標達成習慣を組み込む
適切な目標設定をし、目標達成を繰り返すことで「自分は決めた目標を達成する人間だ」という基準を自分の脳に刷り込みます。そうすることで、自分のコンフォートゾーン(ここでは「当たり前のゾーン」と意訳します。)に組み込まれます。
人は自分の「当たり前」を崩すことに恐怖や焦りを感じるため、目標達成が出来なくなりそうになると、たいていの人は目標達成に向けて行動するようになります。これを現状維持バイアスといいます。(自分の「当たり前」を保たせる力)
例えば、
『毎日歯を磨くことが当たり前の人』が、突如「歯磨きはめんどくさいからやらない」と思いません。磨かなかったとしても、口の中が気持ち悪くなり歯を磨きたくなるでしょう。
また、『毎日会社に出勤することが当たり前の人』は、突如「今日はめんどくさいから会社に行かない」となりにくいです。サボったりすると怖くなるでしょう。
『筋トレが習慣になっている人』も、突如「ダルいから今後一切筋トレやめる」ともなりにくいです。一時的にサボったとしても身体に脂肪がついて危機感を感じ、理想の体型に向けてトレーニングや食事管理をして、帳尻を合わせるでしょう。
そして、目標達成を繰り返せるようになってくると『目標達成する習慣』が自分のコンフォートゾーンに組み込まれ『目標達成が当たり前の人』に自分が近づいていきます。そうすると、目標達成の見通しが立たなくなったりしてくると、自分の「当たり前」が崩れてしまうことに恐怖や焦りを感じます。その感情が目標達成に向けた原動力になったりします。この力、つまり現状維持バイアスにより目標達成に向けたバイタリティを発揮できます。
※ちなみに『目標未達成を繰り返している人』は未達成に慣れているので危機感や焦りを感じず「あぁ、今回もまたダメか」と早々に諦めます。この場合は逆に「未達成の自分」を維持する悪い現状維持バイアスが働いてしまします。
モチベーションではなく習慣で仕事をする
基本的にモチベーションは上がったり下がったりするものです。モチベーションが上がった時は行動をして、モチベーションが下がった時にサボってしまう。これは二流の働き方でモチベーションの奴隷になっています。一流は【習慣】で自分をコントロールします。
とにかく継続的に結果を出し続けるためにはモチベーションが下がった時にどんな行動ができるかが重要です。そのために習慣で仕事をするようにしましょう。
まず、目標達成に必要な行動を棚卸ししましょう。例えば、
・知識面
→読書&記憶、業界の勉強など
・営業スキル面
→ジェスチャー、話し方のトレーニング
・人格の成長
→一流を知る。社外の人と交流を持つなど
・定量的目標達成
→新規アポ取り、アプローチなど
これを淡々と毎週のルーティンに組み込み、そして、PDCAを回し軌道修正を加えていくことで自己成長し、半自動的に目標達成に近づいていきます。モチベーション管理も大切ですが、一番は良い習慣作りが大切です。習慣を作るのは大変ですが、一度良い習慣を作ってしまえば、今度は習慣が良い自分を作ってくれます。