営業をしていると、お客様から否定やお叱りを受けることもあるかもしれません。
しかしながら、同じような否定やお叱りを受けた時に、
- 動じない人
- 前向きに自分の成長の糧として捉えられる人
- 病んでしまう人
など…人によって引き起こす結果は違います。なぜ、結果が違うのでしょうか?結果には必ず原因があります。その原因をいろんな側面から分析し、自分の成長の糧と捉えられる人間になるためのアドバイスをしていきます。
考え方・解釈の癖から見たメンタル
同じ否定・お叱りを受けても、なぜ人によって起こす行動に差が生まれるのでしょうか?
この根本の原因は、一人ひとりの「思考・解釈」の差にあります。
なぜなら人は「頭で考えたこと」を「行動」に起こし、その「行動」により「結果」を生みます。人間は脊椎反射以外は必ず「思考⇨行動⇨結果」という順番をたどります。
そのため「メンタルを強くしたい!」「営業で結果を出したい!」と思うのであれば、結果の根本である「思考のトレーニング」が重要となってきます。そんな思考法についてお話していきます。
事実は一つ、解釈は無数
起こった事実を「ある側面から見たら悪」「別の側面から見たら正義」というように事実は一つでも、人によって解釈は様々です。
例えば「一夫多妻制」についてです。
中東では一夫多妻制は「一人の男性が複数人の女性を幸せにできる経済力・社会的地位を持っている」という評価を受けたりするようです。
ところが、日本で一夫多妻制を真似しようものなら即炎上となります。これが一つの事実に対する解釈の違いです。
また、悲劇のヒロインのような振る舞いをする人は「悲劇的な人生を歩んでいる」というより「人生を悲観的に見ていること」が多いです。逆に、一見不遇な環境でも、日々感謝を忘れず成長・成功していく人もたくさんいます。
このように、自分の考え方は自分が選択しており「起こっている事実」を「どう解釈するか」で自分の行動・結果は変えられます。そのためには以下のような思考・解釈をポジティブに変換するリフレーミングを意識して人生を前向きにする捉え方を習慣化させましょう。
・失敗に対する解釈
「失敗した、俺は駄目な人間だ。」
⇨「失敗した、この失敗を次はしないように改善できれば成長した証!周囲の人より一歩進める!」
・怒られたことに対する解釈
「怒られた、俺は駄目な人間だ。」
⇨「怒られた、でも確かに先輩の言ってることは正しいな…改善して『先輩のおかげで成長できました!』と報告でもして気持ちよくなってもらおう」
これはほんの一例ですが、このように日頃からリフレーミングの意識をし、前向きな思考・解釈を習慣化させることで「結果」は大きく変わってくるでしょう。
アドラー心理学〜課題の分離〜
自分が好きな人たち・同じ価値観を持った人たちだけに囲まれることができればどんなに幸せでしょうか。しかしながら、「育った環境」「行ってきた経験」が違えば、人の価値観は多種多様なものとなり、そんなことは到底無理な話です。どんなに良い環境でも、1人2人は価値観・考え方が違ったり、気が合わない・好きになれない人がいたりすることでしょう。例えば、
- 何をしても否定・批判してくる人
- すぐ怒る人
- 環境に不満・文句ばかり言っている人
など。こういう人たちが同じ環境にいるときに役立つ考え方がアドラー心理学の「課題の分離」です。
課題の分離とは「他者の課題に踏み込まない」ということです。アドラー心理学において、あらゆる対人関係の問題は「相手の課題に土足で踏み込むこと」、もしくは「自分の課題に踏み込まれること」から始まると考えています。
例えば、あなたの選んだ最善だと思う選択に対し、他人がどのような評価をあなたに下すのかは「あなたの課題」ではなく「他人の課題」であり、あなたはどうすることもできません。
誰かがあなたに理不尽な怒りをぶつけてこようと、それは「あなたの課題」ではなく、理不尽な感情は「その人自身が始末すべき課題」であります。あなたはすり寄る必要もないし、自分を曲げ頭を下げる必要もありません。ここから先は「自分の課題」ではない、と線引きし「他者の課題を切り捨てる」ことが課題の分離です。
イギリスに「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることは出来ない」ということわざがあります。結局、他人をコントロールすることは出来ないし「水を飲むか飲まないか」は「他者の課題」なのであなたは介入するべきではありません。
具体的には、
- 何をしても否定・批判してくる人
- すぐ怒る人
- 環境に不満・文句ばかり言っている人
のように「否定・批判」「怒り」「不満・文句」は「その人が始末すべき問題」であり、あなたはコントロールできないので、いちいち気にせず自分ができることにのみ集中し、「他者の課題」は切り捨てましょう。
この「課題の分離」という考え方が対人関係の悩みを一変させる可能性を秘めた視点であり、自分のメンタルを健全に保つ方法の一つでもあるので取り入れてみてください。
自信〜成功体験の積み重ね〜
メンタルには「自信」も深く関わっています。自信とは「自己を信頼する心」であり、営業マンに必要な自信は4種類あります。
- 会社に対する自信
- 職業に対する自信
- 商品に対する自信
- 自分に対する自信
「会社・職業・商品」に対する自信は「自分じゃどうしようもできない」と思われがちですが、これは「自分自身の解釈次第」ですべて決まります。一見、自分は無意味と思っている商品でも「長い目で見たとき」「今ではなく未来から見たとき」「違う人の立場から見たとき」などに利点を見いだせることもあります。あなたの考え方はあなたが選んでいます。リフレーミングにより捉え方を工夫しましょう。
ここで一番大事になってくるのは「自分に対する自信」です。自分に自信がなければお客様は購入してくれません。なぜなら、お客様は「あなた」というフィルターを通して「会社・職業・商品」を見ています。そんな「あなた」に自信がなければ会社・職業・商品すべてが曇って見えてしまいます。
そんな自信はどうやって形成されるかというと「成功体験の数」が大事な指標と言われています。
成功体験とは何も「国体で優勝した」「難関大学に受かった」など大成をなすことではなく「自分の思考・言動と行動が一致する」ことを言います。
例えば、
- 言ったことをキチンとやる人
- 言ったことをたまにしかできない人
皆さんはどちらを信頼して仕事を任せられるでしょうか。
…おそらく前者かと思います。
自信とは自分自身を客観的にどう見ているかという解釈や思い込みであり、「他人への信頼」と「自己への信頼(自信)」の形成過程は基本的に同じプロセスです。
「自分の行動」は自分が誰よりも見ています。つまり、「自分が言ったこと・思っていること」などをキチンと行動に移せている人は、その経験の数に比例して自己への信頼(自信)も高まっていきます。逆にやらなかったりサボったりすることで自己への信頼(自信)も知らず知らずのうちに失っていきます。
「言ったこと・思っていること」をいかにサボらず行動に移すか。「言行一致」を習慣にしてしまえば自信が生まれてきます。自信がない人はどんな小さなことでもいいので良い習慣を増やしていきましょう。
脳内伝達物質的に見たメンタル
人間の感情・行動はどこから生まれると思いますか?
それはすべて脳の中で脳内伝達物質が分泌されることによって決定しています。例えば、
- 快楽を感じているときはドーパミンが分泌。
- 火事場の馬鹿力が出ているときはアドレナリンが分泌。
- 穏やかな気分のときはセロトニンが分泌。
- ランナーズハイなどゾーンに入っているときはエンドルフィンが分泌。
などがあります。
そんな脳内伝達物質を先にいくつかご紹介します。そして脳科学的にメンタルを病む原因について考えていきます。
脳内伝達物質
ドーパミン(幸福物質)
欲求が満たされるとき、または満たされるとわかった時にドーパミンが分泌され「快」を感じます。
ノルアドレナリン(逃走と闘争の物質)
逃走と闘争の物質とも言われており。鎮痛・覚醒・短期的に集中力を高める物質。叱責された時、期限などが差し迫っている時に分泌しやすい。ただし、ストレス状況に慢性的にさらされるとストレスホルモンであるコルチゾールという物質の分泌量が増え、免疫の低下、海馬の萎縮、精神疾患を引き起こすと言われています。
セロトニン(昼に生成される覚醒の物質)
脳をクールに覚醒させる物質であり。スッキリとした寝起きや、穏やかな時間を過ごせるようになります。セロトニンはドーパミンとノルアドレナリンの分泌量を調整する役割もあり、癒やされたり心が安定している時はセロトニンのバランスが良いと言われています。
日の光を目の網膜に浴びると分泌が活性化します。
メラトニン(夜に生成される眠りの物質)
セロトニンを元に作られる物質であり「眠りを誘うホルモン」
目の網膜に入る光を遮断すると分泌が活性化されます。
いかがでしょうか?いくつか聞いたことあるものもあるでしょう。実は他にもたくさんの種類があるのですが、今回はこの4つの簡単な説明に留めます。ここからはセロトニン不足によるメンタル低下とその対策についてお話します。
セロトニン不足
セロトニン不足により、ドーパミンとノルアドレナリンの分泌量をコントロールできなくなり、精神的に不安定な状態となりストレスを強く感じてしまいます。
また、脳も覚醒されないため朝の目覚めも悪く、セロトニンを元に生成するメラトニンの分泌量も低下するため「夜も寝れない」という睡眠障害も併発しやすくなります。このように、精神疾患はどれも睡眠障害を併発するケースが多いそうです。
そして、ストレス状況に慢性的にさらされることによってコルチゾールの分泌量が増え、免疫の低下による疾患、海馬の萎縮、睡眠障害、うつ病などを発症してしまいます。恐ろしいですね。
対処方法
カーテンを開けて寝る(朝きちんと日の光を浴びる)
朝の日の光が自然に入るようにカーテンを開けて寝ることで、セロトニンの分泌量が増え朝スッキリと目覚めやすいようです。また、セロトニンを元に生成される眠りの物質メラトニンの分泌量も増えるため眠りに付きやすくなります。また、自動でカーテンを開く装置がついに販売されるようになりました。こちらを導入することで陽の光を浴びることですっきり起床することができます。
夜スマホをいじらない。
網膜に入る光を遮断することでメラトニンが生成されますが、スマホをイジることでその生成が抑制されて眠りに付きにくくなります。どうしても使用する場合は、自動でブルーライトをカットするナイトモード等の機能を設定すると良いでしょう。また、脳の興奮を鎮めるGABAが入っている食品を食べることも良いと言われています。
捉え方・考え方を変える
結局、何をストレスと解釈するかで伝達物質も変化します。
リフレーミングの練習も同時に行っていきましょう。
環境から見たメンタル
私達の価値観・考え方・行動の傾向はどこで決まるのでしょうか?
実は、その大きな要因の一つに、私達が普段接している人たちが関係しています。なぜならば、私達人間は「他人の価値観・考え方・行動」の影響を無意識のうちに受けてしまうからです。これをミラーニューロン効果いいます。この章では、ミラーニューロン効果から見た、メンタルを病む原因について考えていきます。
ミラーニューロン効果
他の人がある行動起こしているのを見ると、自分の脳内でもその行動に対応した神経細胞が活性化し、自動的にその行動をのシュミレーションをするという現象です。そのため自分は起こしていない動作でも、他人のその動作を見ることで、自分の脳がその動作に反応し模倣的に同じ行動を無意識に取ってしまいます。例えば、レモンを酸っぱそうに食べている人を見ると、自分も唾液が出てしまう。爆笑している人を見ると、つい自分も笑ってしまう。泣いている人を見るともらい泣きしてしまうといったケースです。
実は人は自分が思っている以上に他人の行動や感情・考え方までもを模倣してしまう性質があります。そのため、ネガティブで文句ばっかり言っている人たちに囲まれていれば自分もそういう人間に少なからずなってしまいます。そうなってしまった人には永遠に成功は訪れないでしょう。
部署異動希望を出す、転職する。
「置かれた場所で咲きなさい」なんて言葉がありますが、置かれた場所を自分で変えられるのが今の時代です。ネガティブな環境で咲くことほど難しいことはありません。
今はIT化やグローバル化が進み、置かれた場所の帰属意識を「今の会社」などと狭い範囲に留めなくて良い時代でもあります。地球という場所で咲くために会社を変えることにわざわざ罪悪感を感じなくて良いと思います。
ストレスがかかる状況下に慢性的に置かれ続けて、ストレスホルモンによる免疫低下による疾患・海馬の萎縮・睡眠障害・うつ病を発症してしまった後では取り返しがつかないことになる可能性もあります。仕事よりも自分の人生を大切にして、ささっと転職しましょう。
上司や先輩の中にはもしかしたら「逃げるのか?」「責任感がない」など言ってくる人もいるかもしれませんが、そんな人は自分の保身しか考えていません。無視しましょう。他人があなたの決断に対し、どう解釈するかは「その人の課題」です。切り捨てましょう。
自分の信頼できる友人知人やお医者さんにしっかりと相談して将来の道を決めていきましょう。
また、弊社では以下のようなサポートを行っています。
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