紹介営業は「第三者からの推薦」という特徴があることから、成約率が最も高くなる営業手法です。
私が所属していた組織では紹介営業を極めている人間が何名かおり、私自身も1人のお客様から40名の方をご紹介いただき、30名ほどご成約に至った事例もあります。(その人がいなかったらと思うとゾッとしますが)
また、ご紹介営業で広げたSIerの企業様に35名のお客様がいたのですが、初回面談を行って断られた方はゼロです。自分でも奇跡だと思っているのですが本当です。
そのくらい紹介営業にはインパクトがあり、営業にとって最も極めたい営業手法の一つかと思います。ただし、紹介といってもとても奥が深いためたくさん考察する必要があります。
人はなぜ紹介するのか
- 感動した映画
- 一流の飲食店
- 気付きをくれた本
自分にプラスの影響を与えてくれるモノを人は紹介したくなります。紹介依頼をする前に、相手にプラスの影響を与えらているかどうか真剣に考える必要があります。契約を獲得したからといってお客様の感情がプラスに振れているとは限りません。契約したことによって実は相手の感情がマイナスに振れている…なんてこともあり、そうなってしまったら絶対に紹介は生まれません。
まずは、全てのマイナス要素を減らし、プラスの要素を増やしていきましょう。
紹介に足る人間になる
見た目が不潔、髪がぼさぼさ、挨拶が出来ない、暗い、無駄に元気過ぎて疲れる、笑い方が気持ち悪い、臭い、話がつまらない、遅刻してくる。。。
そんな人間を自分の友人/家族/仲間に自信をもって紹介できますしょうか?絶対にならないと思います。まずは紹介に足る人間になるため、見た目、所作、振る舞い、発言などを日頃から意識しましょう。
- 笑顔で気持ちよく挨拶をしているか
- 相手の目を見て話しているか
- サイズ感の合うスーツを着ているか
- 所作・姿勢の美しいか
- 髪型をパリッと短髪に整えているか
- 臭くないか(他人から評価してもらう)
- 時間を必ず守っているか
- 相手の話をキチンと聞いているか
- 出会った相手にプラスになることをしているか
- 基準の低いメッセージを発していないか
上記のリストに対していくつチェックが付きますでしょうか?チェックがつかなかった項目を今日から意識して取り入れ、「紹介に足る自分」に近づいていきましょう。
気付きを与えられる人間になる
気付きを築いてくれる人間に対して人は尊敬の念を抱きます。その人との出会いが人生のターニングポイントになることもあります。
トップ営業は「言葉の定義」がとにかく明確です。自分自身が人に気付きを与えられる人間になるためには「人生観・仕事観」などを明確にしておく必要があります。
- お金とは
- 仕事とは
- 人生とは
- 家族とは
- 営業とは
- 目標とは
…これらの言葉に対して自分なりの定義や考えを持っていますでしょうか?
言葉を曖昧に使っていては相手に気付きを与えられる人間になることは難しいでしょう。それぞれの言葉に対してコンパクトにインパクトに説明できるように、常に自分の価値観を磨いていきましょう。
アウトプットする環境が少ないならTwitterをおすすめします。
紹介が出るような商談をする
- 「無理やり契約させられた」
- 「自分で納得して決めた」
どちらの営業マンを友人に紹介したいと思うでしょうか?…間違いなく後者ですね。なので、紹介の出るような商談をするためには、「営業マンが多くの気付きを与えてくれた」「お客様自身で意思決定をした」という事実が必要です。
そのためには本ブログでもお伝えしているニードセールス、またはソリューション営業のスキルが必須となります。
相手を喜ばす
人には返報性の法則があります。「受けた恩を返したい」という性質です。その性質を考えた時に、多くの人に恩を与えることで、恩がたくさん返ってきます。ただし、見返りを求めている感が満載の「恩の押売り」は距離を置かれることでしょう。見返りを求めず、おもてなしの精神でたくさんの人にGiveすることをおすすめします。
ありがた迷惑なGiveはしない
- 頼んでもいないのに人を紹介する
- あまり乗り気ではないのに合コンに誘ってくる
- 聞いてもいないのに営業について教える
など、全くこちらの想いをくみ取らずに、ありがた迷惑なGiveをしてくる営業マンが数多くいます。お客様は口には出さないですが内心ウザがっています。相手が求めていることをキチンと考えてからGiveしましょう。
テイカーを排除する
世の中には受け取ることが当たり前のテイカーがいます。そんな人たちにGiveしても搾取されるだけで何も返ってくることはありません。自分自身が疲弊し不幸になるだけです。
「ありがとう」の一言すら言えない人間とは縁を切って問題ないかと思います。
何をしてもらったら嬉しいのかを伝える
お客様は「自分の担当営業は成績上位で何も困っていない」と思っているケースが本当に多いです。そう思われていてはご紹介は全く出ません。Giveをしても紹介以外の形でお返しが来たりします。(それはそれで嬉しいのですが…)
そのため、お客様にはキチンと「ご紹介されることが最もうれしい」という事を伝えなければいけません。
私は等身大の営業スタイルでしたので、「めちゃ困っててモヤシしか食べられない」など仲良くなったお客様に冗談交じりに伝えていました。「紹介してあげるよ」と言われたときは「ありがとうございます!!…ぐす…ぐす(涙」と全力で感謝と喜びを表現していました。ちなみにこれ…めちゃくちゃ重要です。
初めての紹介は絶対に成約するか喜んでもらう
お客様から最初にご紹介してもらった方に商談を行い、その方に「何もメリットがなかった」と思われると、紹介してくれたお客様から二度と紹介をもらえなくなります。
例えば、ラーメン屋を紹介して「あのラーメン屋店主が最悪だった」と感想をもらったら二度とそのラーメン屋を紹介しなくなる、と同じパターンです。
お客様がせっかく友人や仲間に声をかけて紹介してくれたのに、「何もメリットがなかった」となるとお客様は「ただの徒労だった」と感じてしまいます。そんな方に再度紹介依頼しても「めんどくさい」「誰にもメリットがない」と思われてしまい、二度と紹介してもらえなくなります。
紹介者に対しては何が何でもメリットを感じてもらいましょう。仮にご契約できなくても「勉強になった」「話を聞いてよかった」「タイミングが来たらあの人から入ろうと思う」などの感想を引き出せるような商談をしましょう。
まとめ
今回は紹介営業の極意のほんの一部をお伝えしました。
その他にも自分自身が圧倒的に有名になり、お客様に「こんなすごい人と繋がっている自分は凄い」と自慢していただくことで生まれる紹介もあります。
紹介営業はとにかく奥が深く正解はありません。常に自己研鑽を続けながら様々な戦略を練って実践していくことをおすすめします。