ビジネス

営業という職業はAIに取って代わられるのか?

昨今、AIに取って代わられる職業が話題になっています。レジ打ちも最近では無人レジなどが普及しており、10年以内に消滅する職業として取り上げられています。また、生命保険なども最近ではインターネットで簡単に購入できるようになり、一見、営業が必要ないかと思われます。しかし、実際はどうなのでしょう。

今回は、AIに仕事を奪われる営業マンと、今後も活躍していく営業マンについてお話していきます。

AIとは

AI(人工知能)は人間と同様の知能を実現させようとするための一連の技術のことを示します。機械学習やディープラーニングなどの名前は一度聞いたことがあるかもしれません。AIを知るためにAIの歴史を簡単に振り返ります。

第一次ブーム「探索と推論」(1956〜1960年代)

オセロのように決められたルールの中で、ゴール(勝利)に至るまで試行錯誤(場合分け)しながら選択肢(打ち手)を選んでいくものです。オセロのようなルールが決められた枠組みでしかほとんど機能しません。

第二次ブーム「知識工学」(1980年代)

医師のような専門家の知識をコンピュータに教え込ませ、その知識をベースに推論(AならばB、BならばCのような)を用いて専門家のように現実の複雑な問題を解かせようとするシステムだが、あまりにも膨大な知識ベースが必要であったのと、フレームから逸脱するようなイレギュラーに対応できないなど問題点が浮き彫りになった。

第三次ブーム

「機械学習」(2000年代)
コップの形やりんごの形などの特徴を人間が手入力で準備したサンプルを基に、与えられたデータの法則性を見出し、繰り返し学習することで新しいデータの分析や将来の予測を立てます。AmazonやYoutubeのレコメンド機能、株価予測、などがそうです。

「ディープラーニング」(2012年〜)
膨大なデータから法則性や特徴の抽出を繰り返し学習することにより、物体の特徴などを捉えることが出来ます。りんごをりんごだと認識させるためには人間が手入力で膨大なサンプルデータを準備しないといけなかったが、インターネットの普及により大量サンプルデータから特徴の抽出をコンピュータ自身が自動的に学習できるようになり、画像認識の精度が大幅に向上しました。画像認識や音声認識、Google自動翻訳などがそうです。

ざっくりとAIの説明はここまでにします。

インプットとアウトプット

基本的にAIは人間による「インプット」に対し、膨大な演算処理を用いて「アウトプット」を出しています。例えば、りんごが写った画像データを与えられて、その形状・色などの読み解き、膨大な演算処理を通して、これは「りんご」だと判別しています。
 このように、既に何かしらのインプットが用意され、ルールに基づいて処理を行うような仕事はAIに取って代わられる可能性が大いにあります。例えば、与えられた(インプット)書類を処理するような単調な事務作業など、ルールに従って作業するマニュアル化しやすい仕事は今後消えていくでしょう。
 また、現在は一部レジ打ちも自動化されており、更にディープラーニングによる画像処理技術の向上で「お店に誰が入ってきて、その人が何を手にとって、店を出た」という判別が出来るようになり「レジ」という概念も消え自動清算されるでしょう。Amazon Goが既に実用化しています。同様の技術で監視業務「誰が違反をしたかを判別する」なども消える可能性があります。

このように単調、機械的な仕事をしている代替可能な人材は今後価値は下がっていくでしょう。

営業はAIに取って代わられるか。

ここで疑問なのは営業という仕事はAIに取って代わられるか?と言うことです。私はAIに取って代わられる営業マンとそうでない営業マンがいると考えています。それについてお話していきます。

モノを購入する時の心理過程

営業マンに2つのタイプがいると考えています。それは「説明員型営業マン」「ニード喚起型営業マン」です。まず、人がモノを購入するときの心理状態の変化を説明します。

  1. 不安・不満    「この部屋狭いなぁ」
  2. 欲求        「もっと広い家に住みたい!」
  3. 解決策    「不動産情報を見よう!お、良い部屋見つけた」
  4. 購入        「この物件を契約しよう!」

基本的にこのステップを踏みます。人は現状に不安・不満を感じることで欲求が生まれます。AIに取って変わられる営業マンかどうかは、このステップをしっかり理解しているかが大切です。

説明員型の営業マン

「説明員型営業マン」とは、ここでは、

  1. 「不満・不安」を感じておらず
  2. 「欲求」が生まれていないお客様にいきなり
  3. 「解決策の提示(商品説明)」

をしてしまう営業マンのことを指しています。欲求が生まれておらず必要性を感じてないお客様に、自社商品のプレゼンテーションをしてもほとんどが響かないでしょう。「広い家に住むことで広がる可能性」などのニード喚起をしておけば響き方は変わっていた事でしょう。

逆に、①「不安・不満」と②「欲求」が顕在化されているお客様であればご契約を頂けるかもしれません。しかし、①と②が顕在化しても、IT化が進んだ今、Googleを叩けば情報は出てきます。さらに、自分の顕在化したニードをAIにインプットすることで膨大なデータの中からあなたに合う最適な提案をしてくれるかもしれません。そのためIT化やAIが浸透していくこれからの時代において、お客様からのインプットに対して御用聞きのような「説明員型営業マン」の存在意義が薄れていくでしょう。

「ニード喚起型営業マン」

商品・サービスを必要としていないお客様に必要性を感じさせることができるのが「ニード喚起型営業マン」です。そもそも必要としていないお客様に自社商品の魅力をどれだけ語っても響きません。そのため、お客様に自社商品の必要性を感じていただく必要があります。

その方法は、

  1. お客様の想像が及んでいない現状の「問題点・課題」を絵に浮かぶように伝え「不満・不安」を顕在化させる。
  2. お客様に、「問題点・課題」を「解決したい!」という欲求を生ませる。
  3. 「解決したい!」と思っているお客様にこれから売り込む商品によって解決できることを示す(解決策の提示)。
  4. お客様に購入していただく。

というステップを踏むことです。このようにお客様がモノを購入するときの心理状態に沿ってプレゼンテーションを行います。

お客様のニードが顕在化していなければ、お客様からのインプットがありません。そんなお客様から顕在化したインプットを掘り起こせるのが「ニード喚起型営業マン」です。ニード喚起の力がある営業マンはおそらく、どんな商品でも売ることができると思います。

自然言語処理

人間が喋る言語をコンピュータで処理させることを自然言語処理と言いますが、この自然言語処理によって人間とAIが複雑な雑談・会話をさせることはかなり難しいと言われています。

なぜ、難しいかというと、例えば、
Aさん「消しゴムもってない?」
Bさん「持ってるよ、はい(貸すよ)」
しかし、AIの場合
AI「いいえ、持っていません」
となります。このようにAさんの「貸してほしい」という意図を読み取ることはAIにとっては難しいです。

また、
Aさん「休日どこいったの?」
Bさん「いや〜熱出ててさ〜」

のように「熱が出る」ことが「外出できない」という知識を事前に与えないと言葉を理解できない。

他にも、省略される言葉の理解など、人の会話で生まれる当たり前のコミュニケーションが難しいと言われています。

お客様の感情の機微な変化を読み取りながら(アイスブレイクなど)複雑なコミュニケーションを経て、所々で気の利いたことも言ったりしながら、本人自身も気がついてないニードを呼び起こし、商品を熱意を持ってプレゼンすることで売り込める「ニード喚起型営業マン」は今のAIには取って代わられにくいと考えられます。

そうはいってもAI技術は日進月歩で進歩しています。しかしながら、基本的には

  • 人間的であればあるほどAIに取って代わられにくく、
  • 機械的であればあるほどAIに取って代わられやすい。

と言うことです。

ぜひ、代替可能な人材にならないためにも、より人間的な想像力・創造力・コミュニケーション能力・熱意・愛情などの力をつけていきましょう。

ABOUT ME
川端 謙斗
エンジニアから営業マンに転職し、営業管理職をしておりました。 現在は株式会社オメガイノベーションの代表取締役をしています。 筋トレが趣味です。 築古物件投資もしています。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です