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目的意識が持つ本当の力とドーパミンを利用した目標設定

自己投資と聞くと皆様はどんなイメージを抱くでしょう。

セミナー、自己啓発、読書、勉強、トレーニングなど様々なイメージを持つことでしょう。これらの自己投資は自分の目標・目的を達成するための手段として基本的に存在しています。しかしながら、セミナーに参加することや、自己啓発が目的となっている人は、ただの自己満足で人生は何も変わらないでしょう。

そのため、今回は目的意識・目標設定についてお話していきます。

目的意識の大切さ

何事にも目的意識を明確にすることが大切です。なぜなら、人は意識していることで「引き寄せる事象」が変わるからです。『思考は現実化する』や『引き寄せの法則』的なスピリチュアルな理論にも書いてあるのですが、私はスピリチュアル系が苦手なので今回は脳科学的にお話していこうと思います。

脳幹網様体賦活系(「本気の願望は叶いやすい」理由)

本気の願望は叶いやすい…つまり寝ても冷めてもその願望を叶えたいと思っている人が、一般の人に比べて夢を掴みやすいという理由について話していきます。ここには、人間の脳にある脳幹網様体賦活系の機能の一部が関わっています。

『脳幹網様体賦活系』とは『自分が重要だと認識した情報を厳選して脳内に取り込もうとする脳の仕組み』です。脳にとっては五感から得られる情報はあまりにも膨大で、すべての情報を脳が処理しようとすると脳は疲弊してしまいます。そのため、厳選した情報だけを脳が処理できるように、それ以外の情報はフィルターで排除しています。そのフィルターの役目を果たすのが『脳幹網様体賦活系』の機能の一部です。

例えば、彼女とドライブをしている時にあなたは「ガソリン減ってきたなぁ。給油しないとな…」と思ったとします。そうすると当然ガソリンスタンドを意識的に探すようになります。

一方、彼女は「お腹が減ってきたなぁ。何か食べたいな…」と感じればレストランなどの飲食店やコンビニを目で追うようになり、ガソリンスタンドは全く目に入りません。このように車のフロントガラスから同じ景色を見ていても、意識していることによって見えているものが全く異なります。

私自身も一時期仕事の関係で都内の歯科医院を巡っていました。それまでは「歯科医院の数はコンビニより多いなんて言われているけど本当かよ。」と思っていたのですが、「歯科医院がどこにあるか」を意識しながらいつもと同じ道を歩いてみると歯科医院が大量に見つかり「歯科医院ってこんなにあったのかよ!」とびっくりした記憶があります。同じ景色を毎日見ていたはずなのに見えているものが変わった…脳幹網様体賦活系のフィルターが変化した瞬間でした。

このように、『何を意識するのか』で同じ日常を過ごしていても「引き寄せる情報」は全く異なっています。本気の願望を抱いている人は願望を叶えるためのフィルター開いている状態で引き寄せる情報の精度がおそらく高いものでしょう。そのために何事にも目的意識を持つことは大切です。

プロセスを明確にする

目的意識は漠然ではなく明確にした方が効果的です。漠然とした目的意識ではほとんど意味がありません。例えば「お金持ちになりたい〜!」「有名になりたい〜」「かっこよくなりたい〜」など浅い思考では大した情報を引き寄せられないでしょう。思考の浅い人ほど夢はつかめません。

例えば、お金持ちになりたいのなら、あなたが思うお金持ちの定義を明確にしてから、その状態に行き着くまでのプロセスを逆算してはっきりと明確に書き出してください。

そうでなければ、あなたは「お金持ち」になるための第一歩目をどう踏み出したら良いのかわかりません。思考が浅ければ、どうでもいい情報を引き寄せてしまうでしょう。

…おそらく、たいていの人がお金持ちになるためのプロセスを明確に出来ないので、お金持ちになるための「情報収集」が第一歩目に来ると思います。そして情報収集するためには「どこから、誰から情報収集すると効果的なのか」ということを意識して行動に移しましょう。千里の道も一歩からです。

このように「お金持ちになりたい〜」などという漠然とした意識ではなく、ゴールにたどり着くまでの明確化させた第一歩目を意識して日常を過ごしてください。そうすれば、同じ日常を過ごしていても見えてくるものが変わってくるはずです。

理想を叶える目標設定の仕方

2-30代の人とお話すると「やりたいことが見つからない」という方が非常に多いように感じます。世の中は「やったことない」ことがほとんどです。そんな「やったことがない」ものの中から「やりたいこと」を見つけることは『会ったことない人を好きになろう』としているようなものです。いざ、会ってみたら性格の不一致であったり、思っていた人と違ったなんてこともありえます。逆に「なんかイケ好かないなぁ」と思っていても、いざ会ってみたら意外に良い奴だったり…なんてこともあります。

同様に、やりたいと思っていたことがつまらなかったり、やりたくなかったことが意外に楽しかったりするものです。今の仕事も就活時に「これがやりたい!」と思って就職したはずなのに、2-3年働き仕事に不満・不安を抱いている人が世の中の大半です。そのため「やりたいこと」を探そうとすることに大して意味はないのかもしれません。

そのため、自分の目標を設定するときは「やりたいこと」ではなく「自分がなりたい状態(理想像)」から逆算して『やるべきこと』を探しましょう。理想の状態であれば見つかりやすいものです。

人は理想に近づいていることを実感できれば、辛いことでもやりがいを持って遂行することが出来ます。例えば、筋トレにハマる人がそうです。筋肉は基本的に努力を裏切りません。最初は筋トレした分だけ体つきに変化が現れます。理想の体型に近づいている自分を実感できれば辛い筋トレも徐々に楽しくなり、目標達成したときには最高の多幸感を得られるでしょう。

また『自分がなりたい状態(理想像)』を設定するときは『どんな自分だったらワクワク・ドキドキするのか』を基準に考えると効果的です。この『ワクワク・ドキドキ』の幸福感の正体について話していきます。

幸せの正体って何?

あなたは、美味しい焼き肉を食べた時やスイーツを食べた時に「幸せ〜」と感じたことはないでしょうか?また、好きな人と一緒にいられる時や絶景を見た時などにも幸福感を感じたことはないでしょうか?またパチンコ・スロットなどで大きく当たったときも喜びを感じたことはないでしょうか?そんな幸せの正体について脳内伝達物質を用いてお話していきます。

ドーパミンを意識した目標設定

快感や喜びを引き起こす脳内伝達物質で幸福物質ともいわれています。基本的にワクワク・ドキドキしているときは脳内の報酬系という回路が活性化しドーパミンが分泌されています。そして「あの幸福感をもう一度味わいたい!」とさらなる快感を求め、再び行動を起こすモチベーションが高まります。

例えば、「美味しいものを食べる」や「性行為をする」という行動に対し、ドーパミンを分泌させ快感を与えることで、人間にその行動を繰り返させようとします。これは人間の『生存維持』や『種の保存』のためだと言われています。逆にギャンブルにハマっている人はドーパミンの快感による依存症です。他の前向きなことに夢中になり、早急に抜け出しましょう。

このように報酬系が活性化しドーパミンが分泌される状況にはいくつか種類があります。それが以下の『動物的報酬』『人間的報酬』『短期的報酬』が満たされたときです。

○動物的報酬
食事、性行為、排泄など

○人間的報酬
■物理的報酬■  

金銭を得た時、欲しいものが手に入った時
■達成報酬■

仕事やスポーツでの目標を達成した時
■社会的報酬■

芸術的な感動、知的欲求が満たされた時
■ビジョン報酬■

夢や理想を描いている時

○短期的報酬
アルコール、ドラッグ、ギャンブル、ゲームなど

目標設定において、短期的報酬は一時的な快感を得られますが人生がネガティブ方向に進んでしまいます。そのため、人間的報酬の中からワクワクする状態を列挙しましょう。そうすることであなたの理想の状態が見えてきます。自分の制限を取っ払い、可能性の枠を思う存分広げて考えてみましょう。

また、このドーパミンは

  1. ワクワクするビジョンを描いた時「ビジョン報酬」
  2. そのビジョンが達成された時「達成報酬」

で分泌されることがわかっています。つまり、

  • 夢を設定し
  • その夢を達成し
  • また新たな高い夢を設定し
  • その夢を達成し

…を繰り返すことでドーパミンが分泌され続けて、人は人生を通じて幸福感を感じます。つまり『人生の幸せ』≒『成長して現実を変えること』だと私は考えています。

その他、幸せに関する脳内伝達物質

ドーパミン以外にも、人間の幸せに関係する脳内伝達物質があります。その中で精神面の安定に関係するセロトニン、物事に没頭させる極限の集中力を生み出すエンドルフィンについて説明します。

セロトニン

睡眠と覚醒をコントロールする物質であり、目の網膜に光が入ると分泌されます。ドーパミンは興奮物質であるのに対し、セロトニンの幸福感は『安らぎ』『くつろぎ』と言った穏やかなものです。ドーパミンやノルアドレナリン(闘争と逃走の物質)の興奮物質の過剰分泌を調整し感情のコントロールを行います。逆にセロトニン不足だと精神的に不安定になります。そのため、朝はしっかりと太陽の光を浴びましょう。

エンドルフィン

脳内麻薬と呼ばれている物質であり、大きなストレスがかかった時に分泌されます。異次元のパフォーマンスを発揮する絶対的な集中状態です。マラソン選手のランナーズハイ、格闘家がボコボコにされても痛みを感じない状態などがそうです。最も強い快感がエンドルフィン&ドーパミンが分泌される性行為だそうです(違う目標設定されそうなのでこの説明は控えます)。凄まじい集中力が発揮され、その状態が楽しく、頭脳も明晰な状態です。

仕事においては、

  1. 短期目標を設定し
  2. ToDoをできるだけ細分化し
  3. 完了したら気持ちよく斜線で消していく

を繰り返すことで絶対的な集中状態を生むことが出来ます。その際に、スマホ・漫画など気を散らせる余分の情報は極力自分の身の回りから排除しましょう。

まとめ

  1. 長期目標はドーパミンが分泌されるようなワクワク・ドキドキする理想像を設定し
  2. 目標達成までのプロセスを明確化させ第一歩目を踏み出せるようにする。
  3. 日々その第一歩目を意識し、アンテナを張る
  4. 目標達成の過程でセロトニンにより精神の安定・エンドルフィンによる絶対的集中などを効果的に使い目標達成をする。
  5. また新たなワクワクするような標設定をして、再出発をする。

この成長サイクルを繰り返すことで、充実感・幸福感を人生を通じて得ることが出来ます。ぜひ、ご自身の人生の目標設定に取り入れてみてください。

ABOUT ME
ばたけん
エンジニアから営業マンに転職し、営業管理職をしておりました。 現在は会社の代表取締役をしています。 筋トレが趣味です。 築古物件投資もしています。